2022.12.01
②楽器・時代や作曲者ごとのスタッカート 全編
小雪
朔風払葉
しょうせつ
きたかぜこのはをはらう
クリスマスに年の瀬 お正月
私の大好きなシーズンがやってきました
ごきげんよう 阿部です
クリスマスを過ぎると 一気に日本人は感慨深いムードを演出しがちです
「忘年会」などといいつつ 一年を忘れることなどせず
とかく日本人はしんみり省みることが得意ですね
私はキラキラしたクリスマスも
せわしない年の瀬の雰囲気も
なんとも好きなのです
パピーの各教室も キラキラした雰囲気を帯びてきました
さて 今回も引き続きスタッカートの話題
②楽器・時代や作曲者ごとのスタッカートです
スタッカートの奏法について実践的に習ったのは
リコーダーやピアニカの「トゥトゥ」だったと記憶しています
これは「タンギング」という発音(音の立ち上がり)をはっきりさせるための奏法で
スタッカートだけに限った奏法ではありませんが
まぁスタッカートも同じような奏法を使ったり使わなかったり
ただ 強弱記号が「ff」とかになったとたん
この「トゥ」を「ドゥ!!」と爆発的に演奏するものだから
音が汚くなることがよくあります
ですから「もうすこし余韻を残して」とか「丁寧に」と注意されるわけです
スタッカートは極めて音が短いので 言葉と同じようにあるいは籠の中の鳥のように
一度楽器から放ったら取り返しがつきません←かなすぃ
長い音であれば演奏しながら音程を調整できますが
スタッカートは間違った音程を出せば その音がずっと残ります
音自体は短いですが 音を聴いた聴衆の耳にずっと残ります・・・
スタッカートというのは決して勢いだけのものではなく
音を出す直前の緊張感と音を出した後の処理に最善の注意を払っていただきたいものです
「息を鋭く当てるというより きわめて初速度の早い息を 瞬発的に楽器に送り込む」
という風に説明する人もいました
まぁ 私は管楽器はやらないので偉そうなこと言えないんですけど・・・
さぁ そんなお口の恋人 管楽器に対し
口で「トゥトゥ」できない弦楽器はどうでしょう
弦楽器のスタッカートは「弓を飛ばす」としばしば指導をうけます
そしてこれができると 確かにそれなりに上手く聞こえるし上手く見えます
ただ 時としてこれは打楽器になってしまいます
どういうことかと言うと・・・
弦楽器は弓の毛で弦をこすることによって音が出ます
ですから毛を弦に触れる時間が短ければ短いほど 音も短くなります
「弓を飛ばす」というのは 弦の上を弓が跳ねるような奏法で
音も軽快にスタッカートしますが 弓が弦に当たるときの打撃音だけ聞え
弦をこすった時の「実音」が聞こえなくなる現象が起きます
実は弦楽器も管楽器と同じで発音が大事なのです
と 文章で書いても「?」なので
とても共感できるyoutuberの説明を転載させていただきます
↓
※これは私ではありません
弦楽器のスタッカートは必ず 毛を弦に咬ませて
こするときの速さで表現しましょう
が やはり弦も管同様に音の処理が大切です
減の密着時間や弓を動かす幅で 音の残響を自在に変えられますし
ビブラートをかけることで余韻の音をきれいに収めることもできます
というように
楽器が違えばアプローチの仕方も違うのですが
音を放った後の音の処理や余韻 音を出すときの緊張感
大事にしていきたいものです
このスタッカートの軽快な奏法は
よくモーツァルトの低弦に見られるのですが
実は楽譜にはスタッカートはついていません
逆にベートーヴェンはスタッカートがついているのに
実際の演奏は音が長いことがしばしば
楽譜には書いてないけども なぜスタッカートするのか
楽譜にはスタッカートがあるの になぜ音が長いのか
スタッカートを廻る 楽譜の表記と実際の演奏について
次回の後編で語らせていただきます
それではまた
ごきげんよう